ららちゃんのFIP奮闘記

我が家に初めて迎え入れた猫のららちゃん。1歳。家族一丸となってFIPと闘う。

FIP「猫感染性腹膜炎」に唯一効果があると言われている新薬MUTIANについてまとめてみる

 

概要

MUTIAN

正式にはGS-441524というもので、2020年1月現在、FIP「猫感染性腹膜炎」に唯一治癒効果が実証されている薬品です。2019年2月頃にアメリカのカリフォルニア大学の獣医学部で開発され、その後中国などで「MUTIAN」という商品名で生産されているものが広く出回っています。

 

日本では正規な医薬品として認められておらず、保険適用外の薬品となっております。そのため、現在のところ入手方法は米国か中国から個人輸入をするか、国内のMUTIAN協力病院で直接治療するかの二択となっております。

 

海外(特に韓国や中国)では既に多くのFIP罹患猫たちがMUTIANに命を救われており、動物病院でも積極的に治療に用いていこうという動きがある中、日本ではあまり知れ渡っていないようで、ネットでFIPと検索をかけても上位結果には表示されません。

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MUTIAN

 

価格

MUTIANの一番の難点はその価格です。MUTIANを使った治療は分量、日数などが的確に定められており、それに従って最後まで治療をすると総額60~120万円程かかってしまいます。MUTIANが新薬というのも大きいのですが、一番はやっぱり「保険適用外」ということなのでしょう。

医療、工学、食品…いろいろな分野において信頼性の高い日本ですが、慎重になりすぎて世界に遅れをとっている面もあるんだな…ということを強く実感しました。

 

購入方法

MUTIANの購入方法は数通りあります。

1.MUTIAN協力病院にて直接治療する

日本に数箇所だけ存在するMUTIAN協力病院。院内にてMUTIANによる治療を行っている動物病院です。私の場合は運良く家の近くにMUTIAN協力病院があったので、そちらで治療させて頂いています。

投与の際の注意点や、経過観察、検査などもきちんと行ってくれるため、一番ベストな方法ではあります。

ただし、近くにMUTIAN協力病院が無い場合は、購入、投与を自分で行うことが多いです。その際の診察や検査はほとんどの動物病院で執り行ってくれるはずです。

 

日本国内のMUTIAN協力病院一覧

 

2.FIP Catで購入する

FIP Catで直接購入ができます。お支払い方法はPayPalです。

また、お問い合わせも日本語対応してくれるという話です。

 

3.Facebookコミュニティで購入する

日本のFacebookグループ「MUTIAN JP」でもMUTIANを購入できます。また、いろいろな人からアドバイスももらうことができる、SNS特有の利点もあります。

 

用法

基本的にMUTIANを処方するときは、インターフェロンステロイド剤とは同時に使用しないのが普通です。

治療開始時は注射→それから食欲が回復したら服薬、の流れが良いと言われています。

注射はMUTIAN協力病院で行うか、飼い主様が自分で行うかのどちらかです。

服薬は、ピルガンを使って自分で行うことができます。かなり大きな錠剤なため、飲める猫もいれば、後で吐いてしまったりする猫もいるので、猫ちゃんの様子を見ながら注射かカプセルかを決めてください。

投与量については、

 

《MUTIAN Ⅱ(注射)》

FIPウェットタイプの場合:体重1kgにつき0.3mlを注射

FIPドライタイプの場合:体重1kgにつき0.5mlを注射

 

《MUTIAN X(内服薬)》

FIPウェットタイプの場合:体重1kgにつき100mgを服用

FIPドライタイプの場合:体重1kgにつき130~150mgを服用

 

いずれの場合も84日間の連続投与が原則となっております。(血液検査の結果が非常に良好な場合は60日程度で投与を終了し、経過観察に入ることも可)

 

また、投与終了後に84日間の観察期間を設け、再発がみられない場合は今後の再発も殆どありえないそうです。つまり、完治に近い状況といえます。

 

投与時期

私の場合は、「FIPの可能性が非常に高い」と診断された時点から投与を開始しました。FIP最悪10日で死に至る、非常に迅速な対応が求められる病気です。精密検査の結果を待つのではなく、金銭的問題を考慮し、MUTIANを使用する覚悟ができたその時から治療を始めたほうが良いと思います。

他にも精密検査の結果が出る前からMUTIANを使用している方は多くいらっしゃいました。

 

効果

後で実例のリンクをいくつか掲載しますが、2019年2月に開発されたばかりの薬品ですので、まだ再発することなく老衰までたどり着けるかどうかは数年経つまで誰もわかりません。

しかし、いろいろな実例を調べていると、末期FIPを除いて、MUTIANを使用したが効果が無くて死亡したという事例は極めて少なく、殆どが数日でかなり回復しているように思えました。

従来の治療法が「延命」であるのに対し、MUTIANは根本的治癒を前提にして作られた薬だと、私は思います。

 

参考になるサイトまとめ

数々のサイトを読んできて分かったことを分かりやすくまとめてみましたが、より正確で詳細な情報が知りたい方には、以下のサイトが非常に役立ちそうです。

 

MUTIANの詳細情報が知りたい方

Nagoya-Endo.com「GS-441524について」

RussianPink「カテゴリ:MUTIANの記事」

FIP Cat

MUTIAN JP

MUTIANを使用した治療の実例

CAMPFIRE「経過報告②」

Note「富士ニャン、MUTIAN投薬 1週間経過 」

Twitter「#mutian」